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令和 4年11月22日環境・農水常任委員会−11月22日-01号

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  1. 滋賀県議会 2022-11-22
    令和 4年11月22日環境・農水常任委員会−11月22日-01号


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    最終取得日: 2023-05-14
    令和 4年11月22日環境農水常任委員会−11月22日-01号令和 4年11月22日環境農水常任委員会              環境農水常任委員会 会議要録                                開会 10時30分 1 開催日時      令和4年11月22日(火)                                閉会 11時28分 2 開催場所      第三委員会室 3 出席した委員    山本委員長、井狩副委員長             桐田委員、柴田委員河井委員松本委員駒井委員、             江畑委員(欠席:加藤委員) 4 出席した説明員   宇野農政水産部長および関係職員 5 事務局職員     井上主査川畑主幹 6 会議に付した事件  別紙次第書のとおり
    7 配付した参考資料  別紙のとおり 8 議事経過概要   別紙のとおり                  議事経過概要 開会宣告  10時30分 《農政水産部所管分》 1 滋賀環境こだわり農業推進条例の改正および基本計画の改定(原案)について(1)当局説明  平井農政水産部技監 (2)質疑意見等駒井千代 委員  環境こだわり農産物について、米はもともと相応の割合があるところからさらに拡大しているように思います。資料8ページに記載の野菜としては、ニンジンカボチャコマツナの3品目推進を図るとのことです。水稲、茶以外は技術的知見が少ない中で、この3品目について取り上げているということは、何か分かってきたことがあるのでしょうか。また販路の戦略について説明をお願いします。 ◎平井 農政水産部技監  環境こだわり農産物として、現計画では全県的に取組ができるような農産物で一体的な推進をするという目標を定めております。そうした農産物を3品目つくるという計画をしており、選定された3品目ニンジンカボチャコマツナであり、次期計画において環境こだわり農産物としての取組をさらに積極的に進めたい農産物となります。我々も野菜についてはまだまだ知見が少ないので、研究、検討資料の収集を進めるところから入りたいと考えています。 ◆河井昭成 委員  環境こだわり農業に係る手続を簡略化するよう変更するとのことですが、この手続にはそれぞれに意味があったと思います。その点について、手続が簡略化されることで懸念されることはないのか、それに対する対策は何を考えているのかを確認させていただきたいです。 ◎平井 農政水産部技監  環境こだわり農産物では、まず農家生産計画の認定を申請いただき、農産物自体認証を申請いただくという2段階の方式を取っております。これは、事業の開始時には環境こだわり農産物がどのようなものか十分に周知をできていない状況でしたので、計画の時点でどのような取組をするのかを農家に申請いただき、その取組計画を審査して問題がなければ、計画に基づき取り組んでいただき、その後に計画どおりに作られた農産物かどうかの認証を行うことにより、齟齬が生じないようにするため始まった形です。  それから20年近くたち環境こだわり農産物とはどういうものであるのかについて大体の周知はできておりますし、取り組んでいただいている方々も、ほぼ同じ方々となっております。  そうした状況の中で、生産計画としては栽培履歴をしっかりと記していただければ、後はそれを条例に基づき認定すればいいと考えております。また新たに取り組む方には、あらかじめ相談をしていただくことにより、環境こだわり農産物がどのようなものか普及し推進することは可能だと思っております。そうしたことから、栽培された農産物を認定するだけで十分ではないかという考えに基づいております。  流通の話ですが、特にお米の小分けにつきましては、玄米で農家が出荷をして、米屋に集まり、それを精米して小分けをする、その段階認証しないと消費者に届けられたかの確認ができないのではないかと、当時は小分の際に申請も頂いておりました。その後、米トレーサビリティ法や、厳しくなった食品表示の基準によって、しっかり米の流通の確認が取れることになりました。それによりもし基準を満たさないものであれば、優良誤認という問題になります。環境こだわり農産物として表示がされない一つの理由として、手続をしてまで表示をするのは面倒であるという、事業者方々の御意見もあります。消費者保護の観点と普及の観点の両方考えても、これはほかの法律でしっかり対応しているので小分けに係る申請、認証はなくてもいいのではないかという結論に達し廃止を考えています。 ◆河井昭成 委員  環境こだわり農業オーガニック農業が、どのくらいの規模で進むことを想定しているのでしょうか。一般的に広く生産に取り組んでほしいのであれば、流通先が量を使ってくれないと、作ってもなかなか売れません。今は徐々にしか拡大していませんし、大きな広がりを見せないのはそのためではないかと思います。流通先販売先にて量的な確保をしなければ駄目なのではないかと考えています。  そういった意味では、資料17ページの流通販売の強化という目標に、何かしらの目新しさがあるのか気になっています。販売先使用先をしっかりとつくるぐらいの覚悟が私たちに要るのではないかと思いますので、これまでに取り組んでこなかったのか、何が理由で取り組めなかったのか、この段階で規定しないと取り組めないものなのか、この点について見解を伺います。 ◎平井 農政水産部技監  環境こだわり農業をスタートした際に、実は専用コーナーの設置などに取り組んだことがあるのですが、その当時はスタートした段階で、そこに並べる農作物があまりなかったということがありました。そのときは一般農産物価格と変わらず、価格に跳ね返ってこないので、認証マークをつけるのは面倒なのでやめておこうということがありました。  現状の環境こだわり農産物では、先ほどのニンジンなどの3品目の量も増えていますし、取組自体も増えています。環境こだわり農産物があるけれども表示がされていないことが今の課題であると感じており、消費者環境こだわり農産物であるということをしっかりと表示して、区分することによって消費者の目にしっかり留まるよう、改めて原点に立ち返って行うべきだと考え、この計画を整えました。 ◆河井昭成 委員  環境こだわり農業オーガニック農業目標が、付加価値の高いものとして高く売ることなのかというとそうではなく、これから先、みんなが口にするものを、滋賀県の環境や健康に配慮した農作物にしていこうとするものであると言うならば、かなりの量を出さなければいけないはずです。量が出るようにするための起爆剤が要るのではないでしょうか。作った後にちゃんと流通消費される、大きな消費の当てを最初につくる必要があると思います。現にオーガニックの量が増えたところはそうした政策をとっているはずですし、そういう認識は必要だと思いませんかという問いです。 ◎平井 農政水産部技監  環境こだわり農産物オーガニックは、別に考える必要があると思っております。環境こだわり農産物は、だんだん一般化しておりますし、滋賀県だけではなく各県で取組も進んでおります。できるだけ消費者方々の目に留めていただいて、食べてもらう必要があります。ですが、農家が取り組むモチベーションの向上には、やはりしっかり買ってもらえる、優先的に買ってもらえる、少しでも高く買ってもらえるということがないと、生産量そのものが上がりませんので、農家モチベーションの向上につながるような形で改めてしっかり対応していきたいです。  オーガニックにつきましては、農作物の1%にも満たないような状態で、これから増やしていくところですが、実は今は流通の要望に対して生産が追いついていないというのが実態です。オーガニック近江米という一例を取りますと、あるスーパーで取り扱っていただいているのですが、もう少し欲しいという要望を頂いており、価格との関係で、農家生産が追いついていない状態になっています。ですが、まだまだオーガニックコシヒカリについては手間がかかりあまりとれないという状況では、やはり農家からも高い価格で買ってほしい、そうでないとなかなか生産に結びつかないという意見を頂いています。そのため、生産流通のバランスを取りながら、できるだけしっかりと農家がもうけられるよう流通と結びつけながら進めたいと思います。  そうした中で、特にお米については新しい品種ができております。大変農家にとっては作りやすい品種です。コシヒカリのように倒れませんし、しっかり量も安定して取れます。味もコシヒカリを超えると自信を持っております。そうしたものであれば農家オーガニックで作ってみようかなという意識も生まれますし、そうなると量もそろってくるという好循環が生まれるのではないかと考えています。これは今後の新しい取組の中でしっかりと進めていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。 ◆松本利寛 委員  今、平井技監が言われたように、オーガニック環境こだわり農産物は、ある意味ではレベルが全く違うものだと思います。私も環境こだわり米は作っていますが、農薬、除草剤は使えますし、また基本的にはほとんど化学肥料となります。全くレベルの違うものを1つの条例の中で規定をして、どのように振興を図るのかという困難な課題があると思います。今の環境こだわり農産物市場価格で僅かに上乗せされているというのは、基本的に政策的なお金を上乗せしているだけの話ではないかと思います。特段よく売れるとか相場が高いとか、そういうものではありません。  オーガニックの場合には相当数単価が高くなければ採算が合いません。収量は米で言えば一反当たり五、六俵ですから、平均的な反収以上の総収入額が得られないとオーガニックは成り立ちません。その価格の問題をどうするのでしょうか。  それから生産の現場においても、技術的なものがまだまだ普及しておらず、非常に難しいと思います。条例の中では十分に対処し切れないと思いますが、オーガニックについて、そこをどう乗り越えるのでしょうか。  実は日野の山奥の平子で、20代の青年がまだ1ヘクタールほどの規模ですが、耕作放棄地を借り上げて、米も野菜も全部オーガニック個人出荷をしている事例があります。大阪や東京の個人消費向けに、自ら作ったオーガニック野菜や米を直販しています。そうした取組は、点のように広がってきているのではないかと思います。そうした規模オーガニックにこだわる若い人たちの農法についても、具体的に行政がどのように支援していくのかということは課題となります。  価格についても、米の場合では1俵が二、三万円程度であれば取り組めますが、野菜の場合には、一般農作物とそれほどの差がつかず、野菜を栽培しても赤字という状況です。条例の中でどう表現するかは別の問題ですが、その辺りを乗り越えるには、技術的な支援販売価格の問題から、もう少し踏み込んだ構想をする必要があると思います。 ◎平井 農政水産部技監  価格につきましては、おっしゃっていただいたように、特に新品種実証等をやっていただいた農家や、オーガニック近江米生産していただいている方々から、新品種は非常にポテンシャルも高くおいしいので、高く売りたいとおっしゃっていただいております。  将来的には、大量に流通するようなある程度の生産消費がある状態になれば、需要と供給の関係でもう少し安くしていくことも考える必要があると思います。ですが、今のどう増やして流通させていくのかという段階では、新品種については、やはりみずかがみとは全く違う、ニッチなところを狙っていく流通をまずしなければいけないと検討をしています。  滋賀環境こだわり農業推進基本計画の中で、そうした細かいところまで書込むことはなかなか難しいですが、新品種が出てきた販売戦略の中で、どういう形でもうかる収支になるのかをしっかり示しながら増やしていきたいと思っています。みずかがみの場合はJAの集荷一本で、1万トンというのが一つ市場評価を得る規模でしたので、2,000ヘクタールまで作付けの拡大をしていく戦略を取っておりましたが、今度の新品種ではそうではなく、少しニッチなところを狙っていく戦略ができるポテンシャルを持った品種だと思っております。そうした細かいところまでは基本計画で示すことができませんが、それぞれの品種品目ごと作付けなり流通推進し、特に新品種については、オーガニックや高いレベル環境こだわり農業を追及できるような形かつ、できるだけ農家ももうかり所得が高くなる戦略が取れないかを検討します。流通が増える戦略基本計画の下の戦略的なものとして組めればと考えています。  御指摘を頂いておりますように、個人売りや直売、これはニッチなところへ売りにいこうとすると重要なことです。この計画のみならず、県全体の農産物流通販売戦略の中で、直売等をしっかりと推進していくためにも、直売のホームページに対する支援などを別にやっております。そうしたものと併せてしっかりと支援をしていきたいと考えています。 ◆松本利寛 委員  米は比較的取り組みやすい品目だと思います。地域の固まりをどうつくるのかは一つの要点ですが、そうしたオーガニックビレッジという方向は、地域で受け入れられれば相応に生産拡大をしていけるのではないかと思います。野菜などについては、まだまだ個別の農家の努力で生産、販売していただいている状況なので、そこをどのように社会的なものにしていくのか、消費者への呼びかけや、オーガニック野菜生産がどういう意味を持つのか、環境問題も含めて広く訴えていくことは、ある意味では行政の役割という気がします。この分野における行政が果たすべき役割をしっかり位置付けておく必要があるのではないかと思います。 ◎平井 農政水産部技監  御指摘のように、オーガニック野菜は非常に難しいものです。基本計画の中では、野菜オーガニックについては県としても研究、検討を進めるということが主たる内容になっています。ですが、現状でもオーガニックに取り組む農家数を増やしたいという考えも持っています。実は、オーガニックを専用に扱う流通事業者方々がおられまして、そういった方々に内々に相談をしているところですが、そうした方々は、そのような取組を県が推進するのであれば、我々が間に立って農家育成のお手伝いをできないこともないとおっしゃっていただいております。県が直接農家を指導することはなかなか難しいですが、オーガニックにしっかり取り組まれている農家も存在することも事実ですし、流通事業者もおられますので、そういった方々のお力を得て研修の場のようなものを設けることも考えております。  一気に進めることは難しいかと思いますけれども、計画期間の中では、徐々にでも取り組む方を増やしていきたいと考えております。 ◆松本利寛 委員  だからこそ取り組まれている人たちをどう把握し、どうネットワーク化していくのかが課題であるという気がします。先ほどの事例では、日野の一番東の鈴鹿の山の中で耕作放棄地を借り上げて、オーガニック野菜生産を始めています。そうした点での取り組みが最近多く出てきていますので、そういう人たちをネットワーク化してどう応援、支援するかを構想していただきたいです。基本的にそのためには、どういう状況になっているのかという実態をきっちり把握していく必要があると思うので、条例を動かす中で具体化してほしいと思います。 ◎平井 農政水産部技監  オーガニック生産流通を進める上において、そうした取組も含めて、この計画の中でしっかり対応できるように考えていきたいと思います。 ○山本正 委員長  今の価格の話に関連して、やはり生産者の皆さんが手間暇かけることに納得できる、適正価格の実現ということがこの計画の主たるものになってくると思います。オーガニックにつきましては、まだ99%以上の方々生産者として取り組んでない、実行していませんので、どうしても消費者に認められるような適正価格の実現、生産者消費者、両者にとっての適正価格がどこにあるのかを計画目標として設定することが必要ではないかと思います。いろいろなことが計画に書いてあっても、最終的にはそれをどうやって実現していくのか示すことが、環境こだわり農業オーガニック農業を進めることになるのではないかと考えますがどうでしょうか。 ◎平井 農政水産部技監  お考えは十分に理解しますが、特に農産物につきましては価格が市場に基づくものになっておりまして、なかなかこう決めたからこうなるというように、行政が引っ張っていくことは難しく、計画の中に価格をどのような形にするのかを書くことは難しいと考えております。御指摘のように、もうかるという視点が大事だと思いますので、収支を書く上においても大体の目標設定価格がないと難しいのですが、なかなか計画の中で目標値を設定することは難しいと考えています。 ○山本正 委員長  納得材料といいますか、例えば消費者からすれば健康にいいという付加価値に納得していただける適正価格は、一般的に作られるものとどれだけの差があるべきなのか、そこはやはり目標としては必要なのではないかという気がしました。まだまだ嗜好品レベルオーガニックにつきまして、しっかりと生産者消費者行政目標に向かっていくには、その辺りをどうするのかということが必要だと思います。今のまま進めようとしても、嗜好品レベルから脱するのは非常に難しいのではないかと思いますので、ぜひまたいろいろな御検討をよろしくお願いします。 2 近江米新品種について (1)当局説明  笠井みらいの農業振興課食ブランド推進室長 (2)質疑意見等松本利寛 委員  資料2ページの説明はないのでしょうか。 ◎笠井 みらいの農業振興課食ブランド推進室長  2ページ目には82号と83号の特徴を書いています。先ほどの説明のとおり、両品種の特徴には、食味はいいということ、そして収量や玄米の外観品質耐倒伏性高温登熟性にも優れ、台風や高温があっても安定した生産が可能というものがあります。  82号のほうが83号に比べて、少し早い時期のものでして、キヌヒカリよりも約1週間遅い程度の成熟期でありますし、83号につきましては日本晴とほぼ同じような熟期になっています。ですので、熟期等は少し変わりますが、特質もよく似た部分がありますので、どちらを新品種とするのかを決めさせていただきたいと思っています。 ◆松本利寛 委員  2つとも、にこまるの系統のようです。にこまるは近所でも作られていますが、非常に株が大きくなりますし、茎が太いから倒れないと思います。また物すごく生育が旺盛です。そういう点では作りやすい品種という気がします。 ○山本正 委員長  試食により、2品種の違いが分かった方はおられませんか。 ◆江畑弥八郎 委員  82号のほうが粒は大きく、私はどちらかと言えばもっちりしたものが好みなので好きです。河井委員は少ししっかりしたほうがいいので83号がいいようです。好みの違いであり、味は本当に双方ともおいしいです。 ○山本正 委員長  両方とももっちりしており、何より甘く、本当においしかったです。両方食べた後、どっちらのほうがおいしいかを忘れるぐらいです。私は83号のほうを甘く感じたのですが、逆に感じている人もいるようです。つまり個人差両方おいしいということだと思います。これは今後の滋賀県の計画を進めるに当たっての材料がそろってきたということで、大変喜ばしいことかと思います。 閉会宣告  11時28分  県政記者傍聴:なし  一般傍聴  :なし...